Web屋パパの日々の泡

子育て、ウェブ、サッカー、キャンプ、とりあえず身の回りのいろんなことを自分のログとして書き記していくブログです。

京都嫌い/ 井上章一

実家に帰った時に父親に勧められて持って帰ってきた本。大学で京都に行ってたから土地勘もあったらわかりやすいんちゃうか、と言われて。なかなか面白かった。なんとなく聞いてそうかなと思ったけど「中京と上京以外は京都じゃない」的なあれだろうなと思ったら案の定。もう少し広く「洛中と洛外」という感じだったけど。

京都ぎらい (朝日新書)

京都ぎらい (朝日新書)


筆者は嵯峨の出身で、京都に誇りを持って育ってきたけど実はそうじゃない、洛中の人間からすると「洛外の田舎で、あんたは京都じゃない」とハッキリ言われると。なるほど、学生でのんびり暮らしてると直面することはないけど実際はそんなもんだろうな。行政区が京都市と言うだけでその辺こだわりというのか怨念みたいなものがあるんだろうな。

「山科から縁談がきてしもた。あんなとこ、東山が西に見えてしまうやんか」だの、京都に凱旋した宇治出身のプロレスラーが「京都に戻ってきました!」というと「宇治の人間が戻ってきたなぞ言うな!」とヤジが飛ぶ。あー、目に浮かぶ。なるほどなあ。だから京都橘じゃなくて京都女子は人気あるんだろうな、なんて。


祇園の芸妓を支えてるのは坊主だの、寺の拝観料が非課税なのはおかしいだの、タブーとは言わないながらもあまり人が突っ込まない話にメスを入れて論述してるのはなかなか楽しい。が、「東京なんぞにいったら、京都の人間でもないのに京都出身と思われて嬉しいやろねえ」みたいに洛中の人間に揶揄されるのも腹がたつと言いながらも言い回しだの内容だのは僕が外から見てる「やらしい京都人」そのままだから不思議な気もするけどなあ。

河内長野は河内じゃない」「千早の山の子が」「大和川から南は人が住むところやない」「天王寺から南はこわい」「淀川から南に住んでる人の気が知れん」と、大阪にも似たような構図はあるし、京都ほどでもないかもしれないけれど、まあ似たようなもんだ。


京都は嫌いじゃない。でもまあ適度な距離感で付き合うくらいがちょうどいいね。そう思えた本でした。