Web屋パパの日々の泡

子育て、ウェブ、サッカー、キャンプ、とりあえず身の回りのいろんなことを自分のログとして書き記していくブログです。

ブレイブストーリー 下/ 宮部みゆき

ようやく読了。長編は読み終えると内容のいかんは別にしてグッと達成感が来る。それはなかなか心地よい。もう一度1Q84読み返してみようかと思うくらいに。そう思うとハードカバーって大変だな。文庫は手軽だけど。

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)


物語はクライマックス、下巻に入って新たに現世と幻界という二極構造にいきなり魔界なんてのが出てきて回収できるのかと不安になるけど、そこの描かれ方は結構グチャッとしてたな。ううむ。

自分自身の願いよりも、自分が反映されている幻界を救うことを選んで(あ、言っちゃった)、旅に出る前より大きく成長した旅人ワタル。小学生男子の夏休みの冒険と成長の物語としては何の過不足もないファンタジーで、物語としてはとても楽しかった。もっといろいろあってもよかった気もするけどそんなもんだろ。


でもなんというか、僕自身は結局最後まで入り込めなかったな。物語は美しく時に残酷で、文章は美しく伏線もきっちり回収していくんだけどどうも物足りない感じがする。それは歳のせいもあって、小2の娘がいると「小5男子の冒険譚」なんてのはやっぱり自分の物語としてはグッと入り込めない。娘が5年生になったら読ませてやりたいと思うけど、やはり父親や登場人物の大人の方の視点になっちゃう。「レボリューションNo.3」の高校生くらいだとまだ近い気もするし自分の通った道だと思うけど、これはそうじゃなかったな。

読んだことないけどハリーポッターもそんな風になるんだろうか。あれはまた違うのかな。


でもまあ、全体としては楽しかったし、宮部みゆきやこの本を好きな人がたくさんいるのもよくわかる。また他の本も読んでみたいなと思いました。


読書にはエンターテインメントとしての側面と、芸術や文学や、表現の美しさみたいな側面とがあって、他にももちろん歴史的価値だの教養だのなんだのいろんな位置付けってあるんだけど、エンターテインメントについてはもっとガンガンやってもらったほうが楽しいんだろうな。なんというのか、いまいち振り切れてなかったように感じたんですよね。

この感じはなんだろうな。短編とか、エッセイとか、伊坂幸太郎とかでリセットしたい気持ちです。