陰日向に咲く/劇団ひとり
Kindleでさらっと読んだ。適度にさらっと読めて読後感が良い本というのは素敵。ただまあそれ以上でもそれ以下でもないかなという印象。
- 作者: 劇団ひとり
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/09/12
- メディア: Kindle版
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短編のエピソードが、少しずつ繋がってて、でも相関性があるみたいな話でもなく登場人物が遭遇する、くらいの話。微笑ましくなるけど物足りない。伏線というまでにはややこしくないので当然回収される事もない。やれやれ。
話自体は面白いしさらっと読めるんだけどどうもしっくりこなくて、劇団ひとりかわ書いてると思うと余計に違和感があって「演じてる様」は思い浮かぶけど「面白い」というところまではいかない。
劇団ひとりってネタやストーリー自体でがっつり引き込むというよりも多彩な芸自体で引き込むので、そこがいまいちパンチがないところにも繋がってるような気がする。
一つ、オレオレ詐欺をやろうとして受け取りに行ったら当の本人はその間に無くなってて遺書が(詐欺の犯人だと分かった上でその相手に宛てた手紙が)残ってて、そのエピソードだけは強烈なインパクトがあった。不覚にも少し泣いた。完全にガードを下げて読んでたのがちょっかい出そうと手を繰り出した瞬間にカウンターパンチ貰ったような感じ。あちゃー
そこのストーリーは良かった。Kindleで無料になってたのでその隙にさらっと読んでみることをお勧めします。