Web屋パパの日々の泡

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スターウォーズ episodeVIII 最後のジェダイ #ネタバレ含む

みてきました。2年ぶりのスターウォーズです。ありがたいことに金曜日にテレビでやってたエピソード7の放送を見て予習バッチリで臨んできた。

もう、とにかく最高。素晴らしいエンターテインメントで笑えて涙もあって、スターウォーズに求めてるものが全部詰まっていた。今から最後のエピソード9が楽しみで仕方がない。
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以下、ネタバレあり。

テクノロジーとSF

SF映画の金字塔、という位置にあるスターウォーズ。ちなみに「SF映画の金字塔」って検索すると2001年やブレードランナーが出てくるけどまあいいや。最初の公開は僕の生まれと同じ1977年。最初の公開から40年になるわけだ。そりゃ登場人物もいろんなことが起こるし、映画の中でもいろんな動きがある。

でも、昔から一貫した世界観があってそれを表現するにはVFXだったりCGだったりの技術が十分ではなくて、常にデジタルリマスターやなんやかやで新しい技術を盛り込みながらアップデートされてきてたりする。

その「昔はできなかった表現」みたいなものが具体的にこれはこうだったとかの専門的なことはわからないけど、映像の綺麗さや「本当にそこにあるように展開する物語」がとにかく楽しい。最後の決戦に出てくるスピーダーもポンコツ扱いされてるんだけど、アナキンが子供の頃に乗ってたような感じもあるし、無数のクリーチャーたちの動きや表情が「そういう生き物いそうだなあと思いながら違和感なく見れる。

それは完全に「昔のドラクエは映像が稚拙だったけど、今スイッチでゼルダやってると映像が綺麗過ぎて昔脳内補完しながら見てたものが再現される感動がすごい」みたいなこと同義で、SF映画に不慣れでそこが宇宙への入り口だった小学生の頃に見たスターウォーズはまだ見ぬ宇宙への憧憬もあっていろんなことを脳内補完しながら楽しんでいたのだけど、もちろんリアルな情報は限られているけど他のSFを見ながら把握する宇宙や「これは本当はこういうことだろう」と思ってたクリーチャーのリアルな動きがとにかく楽しい。

家族と成長の物語

スターウォーズは一貫して家族の物語で、それを子供の頃に見た旧三部作と大学生の時に見た新三部作と、そして今子供ができて見る最後の三部作では自分の感じ方もやっぱり違う。

レイアが敵のファースト・オーダーを語る表情と息子のカイロ・レンを見る目の違いは素晴らしく、年老いた母がやんちゃな息子を眺める表情はかなりグッとくる。息子のそれは甘えが抜けきらないところもあって、アナキンのそれとはどうも少し違う。アナキンの生い立ちってそこまでがっつりとは語られてないよね。

叔父としての責任を感じるルーク、自分の出生の秘密を知りたいと願いつつ平凡な生まれだったレイ。レイの両親の話を聞いているときの感じは、「ブレードランナー2019」のKが「自分は特別な存在ではなかった」と聞かされた時のあの絶望感にリンクするところがある。


本当はみんな生まれてきて行きているだけでとても特別な存在なんだけど、もちろん映画で言わんとしてることはもっと違ったところの話。


戦場にそこまで家族の話が持ち込まれるってのは以上なような気もするけれど、戦争してる中心にいるダースベイダーやカイロ・レンがその生い立ちや血縁にこそ戦う理由があったりするので他の物語とは一致しないんだろうなと思う。

若くて熱意のあるポー・ダメロン、何もしないようでいて僕もスパイなんじゃないかとヒヤヒヤしながらみてたホルド提督の悟りを開いたかのような作戦とポーへの対応。そして女性の強さというのか現実的にタスクをこなして行く懐の広さ。最後の特攻のシーンは本当に美しかった。特攻そのものを現実の世界で肯定するわけではないけれど、映画のあの局面で一人の人の判断で与えられるダメージとしてはとにかく甚大。臨時でも組織の中で担ぎ上げられる人物で、シン・ゴジラの首相代理とはまた違う責任感の重さみたいなものとか、観客は極秘作戦を見ながらポーに肩入れしてるんだけど(それも多分やんちゃ息子を見守る感じあると思う)「なんだよこのおばちゃんさあ」と思って見てるんだけど、彼女もやっぱり銀河戦争の時から共和国やレイアに仕えてきているわけで、組織の上部で兵士として母のような立場で、家族である乗組員を見ているんだろうなあなんて考える。

戦闘シーンの素晴らしさ

で、そのやんちゃなポーが「反乱軍イチのパイロット」という看板を掲げて、のっけからX-ウィング ファイターがガンガン飛び回る。ここがそのやんちゃ発揮のところでもあり映像技術の綺麗なところでもあり、とにかくエンターテインメント感があってグッとつかまれて面白い。

ドレッドノートなんて名前の宇宙船がでてくるわけだけど、英国海軍の「ド級」の船の名前が踏襲されてたりしてちょっとクスっとなる。

対人のバトルも、船を使ったバトル、戦略も、前作でなんとなくスッキリしなかった部分がけっこうしっかりと描かれてて満足。飛び回るミレニアムファルコン、レイとレンの共闘、得体の知れないエヴァ量産機みたいな赤いマスクの傭兵。壊滅的被害を受けたはずなのに全然痛手を受けたように見えないファースト・オーダー。とにかくバトルシーンは面白かった。

弱くてかっこわるい悪役

カイロ・レン、ハックス将軍。このファースト・オーダーの二枚看板のかっこ悪さが超絶面白い。コメディにはならない範囲で、こんなにかっこ悪い悪役いただろうか。

レンはダースベイダーとははっきりと差があって、自分の心にも両親への想いも、感情の高ぶりにも負けてしまってコントロールできず、前作では戦いでもレイに負けてしまう。コンプレックスを抱え、頼りない悪役。が、今回はそこが良かった。悪役の成長に共感したり感情移入があったり、これが次はどんなことになるのだろうと楽しみがあったり。

スノークにマスクを取れと言われたあたりから多分面白くなってきてて、前作で顔を隠して伝わりにくかった部分が(マスク取った時の「怖くない感じ」も面白かったけど)一気に身を潜め、顔が見えることで一旦出てきた弱さが徐々に消えて強い意志を持つようになるその過程がわかる。いままでのスターウォーズで、ダースモールやダースベイダーにあったような「得体の知れない怖さ」ではないけれど、自分も知ってる怖さみたいなものが出てきてここがとにかく最終エピソードに期待が高まる部分

次世代への引き継ぎ

突然ヨーダが出てきてびっくりしたけど、ソロの死、ルークの死、そしてレイアではなくキャリー・フィッシャーの死。チューバッカとドロイドを除いて前世代の人たちは次の作品には出て来ない。ルークは多分最後にオビワンのごとく中に投影されて出てくるだろうと思うけど、次のエピソード9は新しい世代の物語になるんだろう。エンディングに移ったカント・バイトにいた少年は次の世代のジェダイになるんだろうか。そこまでは描ききれないような気もするけれどそういう「次につながっていくこと」を丁寧に描いてたなあと思う。

歳をとったかつての主人公たちが出てくるのは面白い。ただ、家族の物語が何十年も同じメンバーで続くわけはなくて、メンバーは入れ替わりながら次の世代に変わっていく。例えば会社やボランティアの組織みたいなところでもそれは同様で(個人的な話)同じことを同じ人が繰り返していてもしょうがなくて、変化したり過去を切り離したりしながら前へと進んでいくしかないよなあなんてことを考えるのです。

サッカーの日本代表も一緒だね。土曜の試合は今度のW杯以降に絶望しかなさそうな感じだったけど、戦いながら、それでもさらに次の世代をより良いものにするために。映画になっていない間に流れた時間軸の中でレイアやホルド提督は戦ってきていたわけで、それを活かして次に繋げるためにも、然るべきタイミングで老兵は去り新しい世代につないで行かなきゃいけないんだなあ。


まだまだ語りたいことはいっぱいあるなあ。次は一度IMAXの映画館でも見てみたい。もういちど見にいくような余裕があるかはわからないけれど。