巨人たちの星/ J・P・ホーガン
シリーズ3作目、勢いでつらつらと呼んでしまった。
- 作者: ジェイムズ・P・ホーガン,池央耿
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1983/05/27
- メディア: 文庫
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2500万年前からやってきたガニメアンたちが、どこかにいるかもしれない自分たちの種族の末裔を求めて旅に出たのが前作の終わり。そこでたどり着いた遥かに進んだ文明と、地球を属国化しようとする種族の覇権争いと人類の歴史が重なってあれやこれやと。
衝撃度は前作ほどではないけれどハイテク具合がどんどん進んでて面白い。今で言うARやVRが、その言葉の概念もないままもっと高度に達成されてて、視覚だけでなく知覚も伴うのだとするとすごいことだなあと思ったりして。
いくつか今もある問題が予知されてて、電波のネットワークでVR的にコミュニケーションが取れるのだけどネットワークが落ちるとどうすれば良いかわからず混乱をきたしてるのとかは先日の台風での停電のようで、結局は物理が強いんだなあと思い知らされたりする。
直接会うこと、オフラインでやる事、通信が監視されてる事。40年近く前からそれくらいのことは考えられてたんやねえ。
前作もそうだけど、人間が感情的で迷信を信じて欠陥が多いという描き方はごもっともなんだけど、今作ではそこにも希望があると言うか、前に進もうとする想像力は人間ならではだというのがあってそこに希望が描かれている。物理的な戦争ではない争いの末にギャグみたいな結末を迎えて大円団になるんだけれど、物語全体の不思議な歴史がきっちり回収されるのはよかったな。
次のやつは上下巻でそこそこボリュームあるので一旦他の本も読んでみる。突然10年後に描かれた3部作の続きの話。攻殻機動隊の影響も受けてると言うのでそれはそれで楽しみだ。