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Web屋パパの日々の泡

子育て、ウェブ、サッカー、キャンプ、とりあえず身の回りのいろんなことを自分のログとして書き記していくブログです。

舟を編む/ 三浦しをん

「風が強く吹いている」を受けてもう1冊三浦しをんを読んでみた。お、なんかこれ知ってるぞ。名前は聞いたことがある。映画になってるやつだ。と思いつつ、先に映画の話見るとその役者で思い描きながら読むことになるのでそれは避けておきたいし検索は後で。といいつつリンクは貼っておく

舟を編む (光文社文庫)

舟を編む (光文社文庫)

舟を編む

舟を編む

あー、松田龍平ね。うむ、そうなるよね。宮崎あおいかぁ、ちょっと違うな。演技はさておき、北川景子とか菊地凛子あたりがいいな。まあいいや。

辞書好きの主人公、馬締が出版社に入って変人っぷりを発揮しながら周りを巻き込んで辞書を作り上げていくというお話し。映画になるとこれがラブストーリーみたいな扱いを受けていてそれもちょっと違うなと思うけれど気にしない。辞書が題材って、箱根駅伝からの落差すごいなと思って見てたけど実際には誰もが手に取ったことがあって、文中にも出てくるけど中学生で「恋愛」とか「女」とか調べちゃうよねみたいなあるあるも混ざっていて面白い。紙の質感の話とか、普段印刷物に関わる仕事してない僕でもドキドキしながら読んでた。うむ、面白い

外国語大学なぞに通っていたので辞書はアホほど持ってた。フランス語は和仏と仏和、英語は古いのそのまま使ってた気がする。韓日日韓、西日日西は一緒になってるのにしたけど、それって確かに読み返して思うけど収録語彙数に跳ね返ってくるわけだな。そして今思うと、フランスに交換留学行ってた時によくぞなんの知識もないくせにポケット辞書1冊で乗り切ったよね、僕。収録語彙や用例は明らかに少なかったもんなあ。でも少ないながらも人に聞いたりしながらなんとか生きながらえてちゃんと話せるようになって、帰ってきてからフランス語検定も2級取ったわけだからそれはそれでまあいい思い出だよ、うん。

もとい、馬締さんのまじめっぷりは遺憾なく発揮されて、周りから変人扱いされるのだけど辞書編纂に携わる人間は変人ばかりという話になってどんどん話が進んでいく。テンポも良いし読みやすい。「風が〜」ほど登場人物に感情移入はないんだけどでも読みやすいのでどんどん進む。結局2日で読み終わったのか。本屋大賞って、何冊か読んだけど年によってムラはあるね。書店店員という独自のフィルターもあるし。でも全体的にすっきり読めるのはいい。


読み終わった後でAmazonのレビュー見てたけど、なかなか批判も多い。そしてその大半は納得もできる。「過程がない」という話はとても同意できる。恋愛もパッと始まってパッと出来て盛り上がりに欠けるし、ストーリーも「それから数年が過ぎ」みたいなのが2回あって気をぬくとしばらく自分だけが置いて行かれた感じになる。馴染んできた頃にまた時間が過ぎる。新人さんが辞書部に慣れてきて、最初に立てたフラグをいきなりきっちり回収してる。その間 よ。編集責任となる松本先生も、後から広がりのありそうな話が出てくるけど掘り下げられない。むむむ、、、それほどボリュームがあるわけでもない本の中でまとめてるのは良いのかもしれないけれど、散りばめられたネタが多すぎて消化不良にもなる。まあ、文体もサラッとしてるのでそこまで引っかからず読めるのは良いのかもしれないけれどね。


1番読んでてしっくり来たのは周りからテキトーでケーハクと言われてる西岡で、「自分は変人たちとは違う」「今まで何も真剣にやってこなかった」「まじめは1人では何もできないだろうから先回りしてやれることはやっておく」と言うのがすごいリアルやなあと。今はWEBの仕事をしてる僕だけれど、周りには変人が多いわけですよ。デザイン、プログラム、コピーライター、編集、カメラマン、その他諸々のスペシャリストたち。まじめさんは一点突破なんだけどそこまでデフォルメされてないにしても近い人はいっぱいいる。変人というと少しキツイけれどその手のスペシャリストによって大体の仕事は回ってると気がついたのは仕事初めてからで、簡単に言っちゃうと理系脳なんだよな。言語学だから文系というのではなくて、研究者肌とでもいうのかな、理系的思考。WEBの仕事は特にそれだなと思う。かれこれ10年WEBの仕事してるけど文系で雰囲気とノリでここまでやってきた自分はその周りをフラフラしてるだけだなと思うしね。
仕事は仕事だから、その中でやるべきことはやるし自分しかできないことをやっていかなきゃいけない。それは最低限のことで特に威張ることでもない。でもそこから突き抜けれるのは色んなものを費やして犠牲にする変人だけの領域だったりするんだよなあ。そしてその方が評価になる。変人というけれど実際には世界は変人で回ってる。それを僕や西岡のようなテキトーな人間が周りでやきもきしながら仕事は進んでいくのだ。


そういう事を強く思いながら読んでたという面で本筋とは違った楽しみ方が出来ましたよと。いやぁ、読書楽しい。