ブレイブ ストーリー 上/ 宮部みゆき
友人に借りたまま積読されてた本、ようやく手にとって読み始めた。上中下巻の3冊、それぞれそれなりの厚さがあってお勧めしてる友人も多い。映画化?アニメ化?なんとなく知ってるような知らないような、初めての宮部みゆき。勝手なイメージでエウレカセブンみたいな感じと思って読み出した。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/05/23
- メディア: 文庫
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冒頭は小学生の主人公亘の話から。理屈っぽい小5、父親に似てやっかいで、建設中のビルにオバケが出るみたいな話から始まる夏休みの冒険譚。ん?なんか思ってたのと違うなーと思いながら読んでると少しずつ話の軸がずれてくる。現実の小学生の話から、ファンタジーの世界への扉が開く。比喩ではなく、実際の扉が開いて幻界へと渡っていく。その辺からちょっとずつ面白くなってくる。
話の区切りが少し半端で、上巻の最後の方から第2章が始まる。その終わり方もなんとなく半端な感じがして「うおー、続き気になるわー!はよ読みたい!」ってなる感じじゃなくて拍子抜け。背表紙見てると別の文庫は4部構成になってるからそういうことなのかもね。村上春樹の世界の終わりとかねじまき鳥なんかはその辺の区切りも好きだったけどまあいいや。
冒険の話とは別のストーリーの中心にある、お父さんが他に女を作って出て行った話、にまつわる記述がなかなかドキッとする。子供にとっては両親と暮らす生活が絶対のもので「あるべきもの」なんだけど、父親が出て行った相手は新しくできた女ではなくてお母さんこそが新しい女で相手のところの子供も父親の子供だと。ややこしいわ!お父さんちょっと!てなる。複雑だ。
ここからどうなるんだろうか。亘が手に入れたい家族の暮らしは、本当に幸せな生活なんだろうか。なかなか胸が痛い。別世界へ行って勇気を手にして戦う少年がたどり着く結論が生き地獄みたいなもので、それがハズレの方じゃなくて手にしたいと思ってたもの、そのものだったらなかなか救われないよなー。この伏線気になるわ。
四方に伸びるように広がっていったストーリー、どんな感じで回収されるんだろうか。三巻構成の感想を個別に書いたものかなかなか悩ましいけど、とりあえずは一旦ここまできましたよ、ということで記録代わりに。